私は成人するころから母に「産後の常識」を叩き込まれていた。「産後は安静第一」「産後の外出は最小限に」などなど。母は私が困らないよう、母子共に健康に健やかに過ごせるよう精一杯の知恵を与えてくれたつもりだったのだろう。だが、時代と共に産後の常識も変わっていくということも教えるべきであった。おかげで娘は随分と時代遅れな女性になってしまいましたよ。

美容師をやっている友達が出産をしたので、里帰り出産から自宅へ戻ってきたタイミングで会いに行った。同い年の女の子がママになったのだから、色々と勉強になることも多いだろうとワクワクしていたのだが想像以上のカルチャーショックを受けることになってしまったのだ。

まず産後一ヶ月ちょっと過ぎた頃だというのに彼女は元気に歩き回り、友達の髪を染めてあげていたのだ。しかもカット付き。現役さながらの手際のよさと元気のよさで髪を切ってあげていたのである。自宅でカットとカラーリングをしてあげていることも驚きだったが、母から「産後は安静第一」という常識を叩き込まれていた私はもう言葉がでなかった。

しばらくしてまた驚かされたのは赤ちゃんの扱いだ。赤ちゃんは私に抱かせたままで、そのまま食事を楽しみ始めた。もちろん、私としては赤ちゃんを抱っこし続けることは大歓迎。何の苦痛でもないが、私の母や身内は「人様に抱っこをさせたまま自分だけ食事をするなんて」と言う女性ばかりだったため衝撃的な光景だったのである。

話を聞くうちに驚きの事実が次々と飛び出してくる。「早く職場復帰できるように母乳とミルクを半々であげている」「産後三ヶ月で海外旅行へ連れて行こうと思っている」というように私にとっての常識の更に上の発想・発言のオンパレードである。

私の母は職場復帰なんて考えず専業主婦になるのが当たり前だと思っていたし、一歳になってから国内線に乗せたことを「早い飛行機デビューだった」と語っていた。母が私の友達の話を聞いたら心配すぎて赤ちゃんを自分でつれて帰ってしまうかもしれない。

だが、私は友達を軽蔑することもなければ「常識知らず」「母親失格」だとも感じなかった。むしろ「こんなお母さんになりたい」とすら思ったのである。

そもそも日本の妊娠・出産事情は先進国の中では時代遅れだといわれているそうだ。出産後の入院期間は長く、無痛分娩もマイナーであり「わが子は腹を痛めて産むべきだ」と考える人はまだまだ多い。しかし海外では無痛分娩は当たり前に行われており、母親はお腹を痛めなくてもしっかりとわが子を愛しているしむしろ夫婦そろって産休をとりながら精一杯のお世話をしてあげている。海外の王妃が産後数時間で退院することに驚く日本人は多いが、海外では1日か2日足らずで退院することが当たり前なのである。

つまり、日本の古い常識にとらわれずアクティブに、自分のやりたいことと子育てを両立させようとしている友達の姿は私にとって「新しい時代のママ」に見えたのである。もう産後の母は床上げを待たないし、子育てを仕事とせずに「社会での仕事」をまっとうするのだ。

少々大げさな言い方だったかもしれないが、私にとって彼女の母親姿はそれほどたくましく見えた。心なしか赤ちゃんの顔も、ずいぶんと頼もしい「次世代の子供」の顔に見えた気がする。

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